難病

KTSに対するセラピーの大まかな方針について

この病気で影響がない、または少ない機能は、

麻痺がなく、身体のコントロールはできる。

ということです。

血管の異常により、血管そのもの、筋肉、皮膚などの軟部組織、骨などに影響がでてきます。

一番の問題は「痛み」です。

痛みは強い運動をした時、また良くない姿勢をある程度の時間とった場合などに起きやすいです。

痛みの一番大きな部位は、筋肉です。

かなり広範な部位に出てきます。

セラピーのところで出てきましたが、緊張をときほぐす、

つまり筋肉の緊張をできるだけ抑えます。

筋肉の収縮をできるだけ抑えながら動けることが目標です。

「そんなことできるのか?」という疑問が当然出てくると思います。

結論から言えば、「できます」。

これは「良い姿勢」と密接に関わってきます。

医学の教科書などにはないので、確信がない限りセラピストの方は取り入れない方が無難でしょう。

私の場合は、セラピストとしてどうこうなりたい、というのはもうないので、自分が思ったように書きます。

どちらにしろ、筋肉トレーニングやストレッチング、物理療法といった既存のやり方ではこの病気の対処は無理です。
手術も根治には現時点ではなりえません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

セラピー/therapyって何ですか?

もともとセラピー(therapy)という言葉には、

薬や外科手術を用いない治療、物理療法、理学療法、治療効果、緊張をときほぐす治療

といった意味があります。

Progressive English-Japanese Dictionary、ジーニアス英和辞典より)

精神的・心理的なセラピーは、本当はpsychotherapyと言います。

セラピーの中には色んなテクニック、技法があります。

ものすごくおおざっぱに言うと、ヒトの身体の中には体液が循環していて、弱い電気が流れていて、動かせば体液の循環の助けになり、自分で動こうとすれば神経と筋肉に電気が流れます。

体液が循環しないと身体に良くないです。

体液を循環させるには自分で動けることが一番良いです。

これを何とかして助けよう、というのがセラピーなんじゃないかな、と今の時点では思っています。

医師や看護師ができるのは観血的治療、つまり血を観る治療で、注射をしたり、医師ならばメスで身体を切ることができます。

それにプラスして医師は薬を処方できます。

セラピストはこういうことはできません。

具体的にどう違うのかというと、

例えば血液が酸性かアルカリ性かの正常値(酸-塩基平衡)は、7.40±0.05pHで、この値からずれてしまうとそれは大変なことになるそうです。

こういうことに対処できるのは医師や看護師です。

生命の危機、というやつですね。

例えば膝がケガなどで硬くなってしまって、膝の曲がる角度が少なくなってしまった。

でも膝の曲がる角度が20°少なくなったからといって、死にゃせんです。

でも生活する上で色々と困ることが出てきます。

こういうことはセラピストの出番です。

曲がるようになるかも、知れません。

でも手術しないと曲がるようにならない、という場合もあります。

そのときはやはり医師の出番です。

セラピーに限ったことではありませんが、一人一人に出すべきオーダーは変わってきます。

本当におなかが減ってるときには、塩かけおにぎりでもおいしいものですし、本当に喉が渇いた時に飲む水は、ただの水でも生き返る心地がします。

喉が渇いている時に欲しいのは水で、コッペパンや焼き芋じゃダメですよね。

患者さんにとってセラピーは食事のようなもので、そういうものでいいと思います。

セラピーが調理された食べ物=料理だとすると、セラピストは料理人+給仕ということになるでしょうか。

口に入るものには細心の注意を払うように、患者さんに触れるのにもにもやはり細心の注意が必要です。

だから本当に困っていることに対するセラピーは、基本的な手技で関節を動かしてやるだけでも患者さんにとってすごく意味があります。

でも、セラピーというのは注射針のような特殊な道具が必要なわけではありません。

食事は自分で作ったり、母親やたまには父親が作ったりするように、日々の生活の中にあるものです。

セラピーも正しい知識と手順を踏めば、誰にでも可能な、決して敷居の高いものではないです。

一番大事なのは気持ちと、正しいテクニックを学ぶことを厭わない姿勢だと思います。

生き物にはもともと特定の栄養素が不足している場合、その栄養素を含む食物への好みが生じる、という能力があります。

これは特殊飢餓といいます。

例えば、クル病の徴候がある乳児に様々な食べ物を自由に摂取させると、ビタミンDを多く含む肝油を好んで治してしまった、という報告があります。

これをネズミで実験したものをカフェテリア実験といいます。

(参考図書『キーワードコレクション 心理学』p211-212)

何かが自分の身体に足りない、ということは本能的に分かる能力が、人の身体には備わっています。

セラピストが必要な時、というのは自分がどう動かしたらよいか分からない時、どう動いているか分からない時、力が入らない時、力が入りすぎる時、こういった時に必要になってくると思います。

セラピーの一番の問題は、効果があるかどうかです。

他人が今どう感じているか、という感覚は直接感じることはできません。

だから色んなデータを取って、クライアントさんの表情や変化を感じ取りながらセラピーを進めることになります。

私は両手が悪くなってしまいましたので、カラダを扱う職人としてはもうダメです。

それでもおいしい料理を出せる方法はあります。

それは素材のよさを生かすことです。

素材がよければ、あまり手を加えずとも料理はおいしいものです。

素材は、私たちの身体そのものです。

これから書いていく話は、素材はいいものを取り揃えている、と自分では思っています。

私の強みは、このセラピーの効果に対して、直接味見ができる、ということです。

KTSという病気に対して特別に組み上げています。

全国にどれくらいこの病気の方がいるかは分かりません。

何万人かに一人の病気でも、この国には少なくとも何百人かの患者さんがいると思います。

ここに書いていくことが効果があることを願って止みません。

006

| | コメント (0) | トラックバック (0)

クリッペル・トレノレイ・ウェバー症候群/Klippel-Trenaunay-Weber syndromeについて

KTSは血管の奇形によって起きる、先天性で進行性の病気です。

普通の人は、心臓から送り出された、酸素がたくさんある血液は、〔動脈〕にのって全身に行き渡ります。〔動脈〕は枝分かれを繰り返して、〔毛細血管〕という交換血管系に行き着きます。

〔毛細血管〕は集まって、〔後毛細血管細静脈〕になり、それらが集まって酸素が少ない〔静脈〕になり、心臓に戻っていきます。

酸素が多い〔動脈〕は赤い色をしています。

酸素の少ない〔静脈〕は青い色をしています。

KTSの場合、この動脈と静脈がいくつかの場所で直接繋がっています。

これを〔動静脈シャント血管(動静脈吻合anastomoses)〕と言います。

(参考図書:『オックスフォード生理学』p274.)

何が起きるかというと、

その1.動脈と静脈の血が混じる。

血が混じると、疲れやすくなります。

ちょうど、ガソリンに不純物が混じってしまって、エンジンが不完全燃焼を起こすような感じです。

大学でバイトしていた時に面識のあった小児科の先生がおっしゃるには、普通の人が100%で済むところを、心臓が例えば120%で稼動しているような状態、ということでした。

エネルギーの効率が悪い、ということですね。

だから長生きしたいなら片足を切断した方が、理屈の上では長生きできるそうです。

痛みが酷い時は何度か考えましたけれど、幸い比較的軽い部類に入っていたので、切らないできました。

生命予後は比較的良い、とされています。

比較的っていうのが引っ掛かりますが…(苦笑)

その2.局所的に血管の内圧が上昇する。

動脈と静脈が直接繋がっていると、その部分で勢いよく血液が流れます。

血管は通常柔らかいので、血管は広がっていきます。

その結果、血管はぷっくりと膨れます(怒張を起こす)。

また、血管の内圧が高いと、血液が行き場を求めることに組織が応じて、血管が伸びていきます(血管の新生)。

その3.組織が過形成される。

血管が余計に拡大すると、酸素も栄養も余計にその部分に供給されるので、その部分が予定よりも育ってしまいます。

その結果、見た目が悪くなります。

この病気は特に片足に出やすいので、左右の足の長さが違ったりします。

それで歩き方がバランスが悪くなったり、骨盤や脊柱が歪んだりします。

私には幸い脚長差はありません。

その4.痛い…

普通はあってはいけないところに普通よりも太い血管があると、何が起きるのかというと、…すごく痛いです。

生活する上で一番困ることが、この「痛み」です。

特に余計な太い血管が筋肉の中にある場合、血管の状態によって、歩くのが困難になります。

痛みがない時はさほど影響を与えないのですが、長距離を歩いたり、強い運動をした翌日などは足を引きずって歩くことになったりします。

周りの人から見ると「ケガでもしたの?」という感じになります。

傍目からは普通そうに見えても、本人は痛くてしょうがない、という周囲の人と本人とのギャップが生まれやすい病気です。

私の場合は、ここ2年くらいで両手と頭部の痛みが強くなっています。

その5.アザがある。

私にはありませんが、アザができるそうです。

今のロシアがあるところに、以前ソヴィエト連邦(ソ連)という国がありました。

その一番偉い書記長をしていた人にゴルバチョフさんという方がいます。

ゴルバチョフさんの頭には地図のような皮膚のアザがあります。

あれが生まれた時からあるそうです。

この病気の原因ですが、遺伝性のものか、子宮にいる時に細胞の一部が損傷を受けたか、血管を新生させる因子が抑制されないのか、いくつか説があります。

最近の研究ではVG5Qという場所の遺伝子に問題があるんじゃないか、ということです。

遺伝するかどうかは、よく分かりません。

遺伝病としては患者数が少なすぎる、という医師の方の話でした。

http://www.border.jp/blessedmarks/complications.html

http://en.wikipedia.org/wiki/Klippel-Trenaunay-Weber_syndrome

この病気の有名な人にCasey Martin(ケイシー・マーチン)というプロゴルファーの方がいます。

ニュースにもなったので、ゴルフをプレーされている方ならご存知かもしれません。

この方は歩行が困難なので、PGAツアーでカートを使用させて欲しい、と裁判を起こしました。

結果、裁判で勝利してカートの使用が許可されたのですが、現在はPGAでプレーされていないようです。

http://www.ada.gov/fmartin.htm

私の場合は左足に病巣がありました。

左膝は2回、左のふくらはぎを1回手術しました。

すべてを手術するのは心臓手術より難しいから無理と言われたそうです。

手術は血管の増殖により肥大した軟部組織(筋肉など)を切除しました。

今は左足に加えて両手、頭部に病巣があります。

まずは右足の写真です。

Dscf0900

次は左足の写真です。

ちょっと見た目は良くないですね;

Dscf0899_2

左膝です。

Dscf0901

最後に左のふくらはぎです。

Dscf0902_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)