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ベルンシュタイン IV 動作の構築について(1)

ベルンシュタインに戻りましょう。

私たちの脳は古いものから順々に新しいものが上に積み重ねられてきました。

制御するための新しい脳が積み重ねられるにしたがって、新しい動作ができるようになってきました。

脳の摩天楼

 はじめに、人間の脳は複数階建ての建築物であり、それぞれの階は下から順番に出現したことは事実です。成人の脳のうち階層の低い部分は、カエルの淡蒼球に相当する神経核から構成されています。カエルではこれが最高次の脳組織です(レベルAより低次の補助中枢についてはここでは触れず、第V章で述べることにします)。これらの神経核は線条体レベルからの指令に従います。線条体は爬虫類や鳥における運動構造を制御しているものです。より高次のレベルには、大脳皮質の錐体路運節系があります。この組織が出現したのは最近になってからのことで、哺乳類にしか存在しません。哺乳類の脳皮質は他の古い脳組織に比べると大きく異なるように見えます。ちょうど一枚の丈夫なシートをしわくちやにしたような感じで、あちこち折れ曲がったり、溝になったりしています。

これらのしわは、皮質ができるだけ大きくなろうとした際に、頭蓋骨に押しとどめられた結果できたものです。もし魔法のアイロンで皮質の溝や折れ曲がりを延ばしたら、大きなマントのような、大脳全体を包む二枚の均質な広い層になるでしょう(脳解剖学が芽生えて間もないころ、皮質は脳外套、すなわち「脳のマント」と呼ばれていました)。しかしながら、脳皮質の内部構造の歴史的な発展過程を考えてみると、皮質はそれほど均一なものではないことが分かります。最も古い(感覚)皮質の原基は爬虫類の時代に現れました。人類の脳でも、これらの原基は昔ながらの構造と機能を備えたまま存続しています。その後、鳥類や哺乳類において、古い部位の近辺に新たな部位がモザイク状にあらわれました。新たな部位はそれぞれ新たな機能の可能性をもたらし、それぞれが人間の脳において「専門分野」をもつに至りました。これらは一見同じように見えるため、顕微鏡を通さなければ違いは分かりません。これらの部位は皮質が発達していく過程で隣りあって現れ、その境目は互いに癒合しています。ただし、古い脳構造がそうであったように、若い組織が古い組織を制御しています。哺乳類が進化しているときにはすでに錐体路運動系が現れていましたが、少なくともあと二つの運動系が脳に現れはじめました。これらのシステムは純粋に皮質上のものであり、古い錐体外路における連続的階層がたがいに制御し合うのと同じやり方で錐体路運動系を制御しています。最もレベルが高く、最も新しいこれらのシステムは人類の脳にしか見られません。このシステムのおかげで、人間は他のすべての生物よりも有利な立場に立つことができました。これらいくつかの階層は、一層の皮質に隠れているが、実際には錐体外路運動系の多重階層構造の上に高くそびえ、共に巨大な脳の摩天楼を構成しています。多重階層をなす構築様式の機能と意味については後に触れます。

Jp35

最初、人間はカエルなんかと同じように、横穴を掘ったりして暮らしていました。

その次は柱を立てたり、軽い木材を組み立てたりして、すぐに造れる家を建てるようになりました。

その次は木材や石材を組み上げて、風にも強い家を作るようになりました。

その次はレンガを焼いたりして、材料を生み出すようになり、だんだんと鉄骨を入れたり、コンクリートなどでもっと立派な家ができるようになりました。

いまでは街にはビルがにょきにょきと生え、海中や宇宙にも滞在場所を造るようになりました。

このネット空間も、仮想的な不動産のようなもの、と言えるかもしれません。

ホームページとか言ったりしますね。

サイトというのはsite、情報がおいてある「場所」のことです。

この記事のまとめ

◆人間の脳は複数階建ての建築物であり、錐体外路運動系の多重階層構造の上に、人間しかできない動作が高くそびえている。

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